「タバコを吸っているとヘルニアになりやすいっていうのを聞いたけど本当なの??」
患者さんから質問されました。果たして本当に喫煙と椎間板ヘルニアには関連性があるのか。
喫煙がヘルニアの原因になるのがなかなか想像出来ないかもしれませんが、実際に喫煙をしているとヘルニアになりやすいです。
今日は詳しくその原因をお話していきます。
喫煙は椎間板ヘルニアの原因の一員になる
結論から申し上げると喫煙をしている人が必ずヘルニアになるかというと、決してそうではありません。
喫煙をしている人がヘルニアになる確率が高くなるということです。
その確率は非喫煙者の3倍というデータが出ています。喫煙をしない人よりする人の方が確実に椎間板は変性(形が変わっていく)していきます。
その詳しい理由をこれから説明していきます。
喫煙が椎間板に及ぼす影響とは?
それでは具体的に喫煙したらどんな影響が出るのかお伝えしていきます。
椎間板というのは血管が存在しません。通常の細胞は血管から栄養を摂取しています。
椎間板はそれが出来ないために椎間板の周囲に存在している毛細血管から溢れ出てくる栄養を取り込んでいるのです。
喫煙すると身体全体の毛細血管は収縮します。収縮すると血管が細くなってしまう血流量が低下します。
そうなると椎間板は数少ない栄養源を失うためにどんどん痩せ細っていってしまいます。
痩せ細ると椎間板の形が崩れてしまい中身が飛び出しやすくなってしまう訳です。
こうして椎間板ヘルニアは完成します。
喫煙はコラーゲンの量も減らしてしまう
椎間板は主にコラーゲンにより出来ています。コラーゲンという言葉自体はみなさん聞かれたことがあると思いますが、コラーゲンはビタミンCから作り出されています。
喫煙する度に身体からビタミンCは失われていきます。
喫煙すればするほどビタミンCが失われていく。すなわち椎間板を作るための材料が失われていくのです。
結局材料がないために椎間板はどんどん小さくなっていきます。
小さくなることにより、背骨同士がぶつかったり、神経を圧迫しやすくなるために痛みが生じやすくなります。
喫煙しなくなれば椎間板はすぐに元通りになるのか?
結論から言うと完全には元に戻りません。
非喫煙者と比べて喫煙の経験がある方は2倍椎間板ヘルニアになりやすいというデータがあります。
なので残念ながら喫煙の習慣があった方というのはヘルニアになりやすい。
しかし絶対になる訳ではないので、今からでも生活習慣を見直しましょう。
一番に見直すべきは普段の姿勢です。猫背も反り腰も、腰の筋肉を緊張させてしまうのでいけません。
自分で腰の筋肉を触ってみて、緊張が少ない姿勢というのを見つけて下さい。
それが椎間板ヘルニアにならない一番の方法です。
まとめ
喫煙をしている人は非喫煙者の3倍椎間板ヘルニアになりやすいというのが真実です。
確かに喫煙をしていてもならない人はならないので、このデータが全てではないですが原因の一つであることは間違いありません。
あなたが今慢性的な腰痛を抱えているのなら、今すぐに喫煙は止めるべきです。
将来腰や足の激痛で苦しんだり、最悪痺れてしまったり、、
そんな未来にならないために喫煙を今すぐに止めた方が、将来のリスクを確実に減らせます。